黒沢貞次郎(2) | タイプライターに魅せられた男たち・第49回(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

1898年12月、黒沢はニューヨークにいました。狂騒のシアトルを後にして、金採掘者たちとは逆方向に、大陸横断列車で東海岸へと来たのです。ブロードウェイ256番地のエリオット&ハッチ・ブック・タイプライター社に、工員としての職を得た黒沢は、ひらがなタイプライターを開発していました。社長のエリオット(George Craw…