(時代の栞)「豊饒の海」 1971年刊・三島由紀夫 文学と政治のはざま:朝日新聞デジタル

 ■現実か幻か、希薄になる「自分」 『豊饒(ほうじょう)の海』は三島由紀夫が1965年から死に至るまで書き続けた最後の、最長の、そして最も謎に満ちた小説だ。全4巻構成で、3巻までの主人公は20歳かその…