「眠るひと」(改訂)

眠るひと 寝子 一 出逢い どうしてだろう。何故ここなのだろう。 こんな裏通りの十字路の片隅、ひさしの届かないビルのエントランス。およそ似つかわしいとは思えない筆の字の踊る看板の前に、一人その美しいひとは居た。 歩道から少し退いた建物と四つ角が作るそこは、左右に流れる細い道に挟まれた小さな三角州。 正面か…