【小説連載】刑事堀部(31)~終戦 その4

あらすじ 疎開者らの出港直前、堀部はサエの一言を機に、事件の真相に気付いた。 「どうしてあの子だと?」 港に残ったみよ子は率直に尋ねた。堀部は自分の後頭部をなでた。 「まずはあなたのおかげです」 「私?」 「ええ。殺したり、殺されたり。あなたは私の野球の話に付き合ってくれたときに、そう仰った。それでまず…