あなたの名前を呼べたなら

身分違いの恋、メロドラマの定型にもかかわらず、何も起こらない、起こってはいけないし起こり得ないことを強調するかのようなドラマチックを排した淡々とした語り口に、この恋に立ちはだかるあまりに高い壁を思い知らされる。聖人のように理解ある男性主人の人物造形にしても、どれほどのリアリティーを持つのか、切なる…