Symbol, implicit and closed pray vol.1

Symbol, implicit and closed pray ホテルの一室で栢森夕菜は髪にドライヤーの風を当てていた。小うるさいモーター音が部屋を満たしている。それでも窓の向こうでは強い雨風が、大地と海に降り注いでいるのがわかった。テレビも点けられていない部屋の中で、夕菜は空の一点をぼんやりと見つめ、髪を乾かしながら、今日あっ…