水流 vol.1

水流 それは月の引力に魅せられた大量のミルクだった。 カラメルシュガーの砂浜を歩き、足首でひだのような波を受け止める。波は砕け、泡を立て、そしてまた向こうへと引きずられていく。灰色の空模様。振り返るとおぞましい闇の色をした防砂林が見える。悲しい海風に吹かれて、揺れて、不気味な笑い声を上げていた。 背中…