『大悪僧』 橋本埋木庵

1896年(明29)大川屋書店刊。維新を挟んだ安政から明治までの物語。明治維新といっても何もかもが一変したわけでなく、人々の暮らしは江戸時代の生活習慣をそのまま継続していた。価値観もそれほど変わっていなかったように思える。母と妻を惨殺された武士が仇敵を追跡して修行僧の身になる話だが、追われる側の男も僧侶…