『怪物屋敷』 稲岡奴之助

1901年(明34)青木嵩山堂刊。現代でも空き家問題とか事故物件とか、不動産を巡る雑話は尽きないが、明治時代にもそうした話は少なくなかったようだ。親の遺産で何不自由なく暮らしている偏屈者の青年医者が語る一種の怪談仕立ての話。大阪府の高槻の町外れにある立派な構えの屋敷が空き家になって久しいが、奇怪な現象が…