明治大正埋蔵本読渉記
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『博士邸の怪事件』 浜尾四郎
1931年(昭6)新潮社刊。長篇文庫第20編。浜尾四郎は現職の検事として勤務した後、辞職して弁護士事務所を開設した。作家としては5年余りのみで、39歳で脳溢血で急死した。作風は非常に簡潔かつ明晰で、理知的な筆致で説得性がある。自身の経歴を反映させたような元検事の私立探偵・藤枝真太郎を数作で活躍させている。…