明治大正埋蔵本読渉記
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『宙に浮く首』 大下宇陀児
1948年(昭23)自由出版刊。表題作のほか、中篇の『火星美人』と3つの短篇を収める。『宙に浮く首』は信州の田舎の村の銭湯での殺人事件から端を発する。表紙に「スリラー小説集」と銘打って出版された通り、犯行の異常さや残虐さが強い印象を与えるが、ほとんどが行動描写で、事件に付随する事象に振り回される感じがす…