書痴の廻廊
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原田実という男 ―世界に誇る日本人―
立ち読み中にふと目についた、 ――自分の経て来た生涯のどの部分を顧みても愉快に率直に過ごせたとは思へない という一文に惹かれた。 いかにも私好みの、厭世的な香りがする。 それがこの、昭和十六年刊行、原田実著『閑窓記』を購入した主因であった。 果たして本書の内容は、私の趣味を大いに満足させてくれるものだった…