旗本くずれの姦婦成敗・後編 ―斬ってこそ―

※2022年4月以降、ハーメルン様に転載させていただいております。 新政府による徳川家処分が決定したのは明治元年五月であった。 この月の二十四日より、二百五十年以上の長きに亘って「大公儀」の呼び名と共に日本国を統治してきた覇者の血は、一転駿府七十万石の小身に堕とされ、家督も田安亀之助こと徳川家達に相続され…