サブカルチャー化した文学から呼びかけられている――『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(12)

10巻では半匿名的ともいえる「手記」が三度挿入されており、太宰治の『人間失格』などについて触れられています。「手記」は重要であるがゆえに都合上、「手記」にある太宰治への距離感や「文学」については後述します。 9巻の「本物が欲しいという告白」と「私を助けてねという願い」を経て絶対的に距離感が近くなったよ…