短編小説『ダンボール箱のさとこさん』

さとこさんが頭にダンボール箱を被って出社してきたのは月曜日のことであまりの異様さに誰もなにも言えなかったから1番年下の僕が聞きに行くことになってしまった。 さとこさんは僕の5つ上の女性の先輩だ。さとこさんはあんまり口数は多くなくて、細いフレームのオーバルの眼鏡越しの伏し目がちな表情が印象的な人だった。…