短編小説『笑いながら、へんな歌って言った。』

外回り中に適当に入った喫茶店で、学生時代に聞いていたナンバーガールのイギーポップファンクラブが流れていたから、僕は必然的に名古屋さんのことを思い出す羽目になってしまった。 あの部屋で丸くなって本を読んでいた名古屋さんのこと。 名古屋さんのかっこいい横顔のこと。 ジャキジャキと鉄っぽく鳴るギターの音は、…