馬券 ①

立派とは言えないアパートで小さなテレビを前に馬券を握りしめ、息子と2人で競馬の出走をまだかと見守る。 俺は、立派な父親とは言えないが、普段から息子を競馬に付き合わせるような馬鹿親父じゃない。 これには、理由がある。 その理由は、1週間前に遡る…… 「まともな大人になるには、時間厳守」という心情をもとに…