「真っ赤な東京都庁」は何だったのか?現代日本社会の「薄さ」に抗う、古川日出男の文学的冒険(古川 日出男)

昭和の終焉からコロナ下までの現代日本を舞台に、テロに遭ったカリスマ政治家とその伝記を制作する芸術家の運命を描く、古川日出男の最新長編小説『の、すべて』が刊行された。その出発点には、パンデミックの時代を象徴する、ある光景があった――。