梅咲いて庭中に青鮫が来ている 金子兜太 評者: 柿本多映 - 現代俳句協会

 『遊牧集』所収。掲句を初めて読んだとき、その強靭なイメージに息を飲んだのだった。一句の中の青鮫と白梅、シュールな絵画を眼の前にしているような不思議な感動におそわれたのを覚えている。 兜太氏は掲句について「戸を開けると白梅。気が付くと庭は海底のような青い空気に包まれていた。春が来た、命満つ、と思っ…