中島らも『今夜、すべてのバーで』

そういうジャンルがあればだが、「アルコール小説」の極北。 自らの体験と大いに重なるところがあるようだが、一人の大酒家がアルコール性肝炎にて入院し、そして退院するお話。舞台は病院である。 この小説で描かれているのは、僕たち医師が日常的に過ごしている、まさに僕らの仕事場の風景そのものである。だが、普段我…