(14)水没する街~福田禎一の街づくり

君代は慌てて玄関に駆け寄り、水没する前に外に出ようとしたが、外開きのドアは水圧のせいでピクリとも動かなかった。窓も同様に少しもスライドせず、無理に動かすとガラスが壊れる恐れもあった。 この期に及んで窓の心配も何もないものだったが、極貧生活から這い上がった息子の努力の象徴を、自分が壊すわけにはいかなか…