『詞華断章』(竹西寛子)

もう何年も前にこの本を買って、電車通勤していた頃は鞄に持ち歩いて繰り返し読んだ。季節のうつろいを昔の詩歌とともに味わうエッセイなのだが、それだけではこの本の内容を伝えきれていない。ときに作者の心境やその時代への思いが書かれることもあるが、それほど詳細に書かれるわけではない。にもかかわらず、芯の思い…