兄と妹が織りなす三角関係と、自分は何者でもない辛さ―小花美穂『アンダンテ』

あらすじ・概要 吹奏楽部の部長でサックスを吹いている茗(めい)には血のつながらない兄、那都(ナツ)と暮らしている。茗は有名作曲家である那都への報われない恋心を持て余していた。そんなある日、ふたりの父がメルヴィーナという少女を連れてくる。「彼女を預かってほしい」と強引に頼まれ、茗と那都はメルと三人暮ら…