【連載小説】『シェムリアップ』~1日目~

1日目 大衆的なカフェの店内は、午後6時にもかかわらずそれなりの人で賑わっていた。一番広いテーブルで、二人の短パンの男がノートパソコンを開いていた。 「やあ、遅かったね」 40歳くらいの方の男が、ダダオとシャオムを迎えてくれた。 「トゥクトゥクがいつもと違う道で走ってて、ちょっと時間かかりましたね。こ…