文盲から“文明”へ―本と出会い、人類学と出会ってみえたこと
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第1回 はじまり
内モンゴルに生まれ、草原で育てられた私は、文字を知らないまま少年期を過ごした。正しくいえば、文字というものの存在は知っていたが、それはお坊さんや役人などごく一握りの人だけが操るかなり特殊なわざであって、私や私の周りにいた遊牧民の暮らしとはあまりかかわりのないものと思って日々を過ごしていた。 それから…