第4回 文盲に生きた時代③「遊牧の日々がつなぐ人と自然」後篇

ツァガンサル(お正月) これまでにも述べたように、1960年代から70年代にかけての中国では、物資に乏しく貧しい時代が続いていた。全国でたくさんの人々が栄養不良に陥り、飢えて死んでいく人も絶えなかった。そんな時代にありながら、私が暮らしていたトゥグルグ・アイルでは、伝統に根差した知恵を絶やさず家畜を大切に…