第12回 図書館②「秘密の階段」

秘密の階段 芸術学校を卒業してシリンホトの図書館に就職した私は、夜になるとしばしばトイレの小窓から館内の雑誌閲覧室に忍び込み、明け方まで読書に没頭していた。ある晩のこと、少し眠くなって横になろうと思っていたところで、あつらえむきに新聞紙が敷かれている一角を見つけた。ごろりと寝転んでみると、お尻の下が…