『春の戴冠』 辻邦生 / 花の都フィレンツェを思い浮かべながら

『春の戴冠』1〜4 辻邦生 中公文庫 2019.7.25読了 傴僂(せむし)のトマソが不気味なほどの存在感を発揮している。せむしという言葉は日本では差別用語として禁じられていると思うが、何故かせむしの人は小説においてキーとなる人物であることが多い。せむし男と聞いて思いつくのが、『ノートル・ダム・ド・パリ』のカジモド…