『あちらにいる鬼』井上荒野/憎しみも独占もなく

『あちらにいる鬼』井上荒野 ★ 朝日新聞出版 2020.6.8読了 読みたかった本。期待して読んで、本当に思い通りに満足できた一冊だった。しとしとと雨の降る午後に、雨音だけが響く中、静かに読み浸っていたいような作品だ。この小説は刊行当時から話題になっていた。それもそのはず、作者井上荒野さんの父親、不倫相手の瀬戸…