書に耽る猿たち
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『猟銃・闘牛』井上靖|大衆的なテーマにも文学性が息づく
『猟銃・闘牛』井上靖 新潮社[新潮文庫] 2024.11.11読了 先日井上靖さんの『しろばんば』を読み、その類まれなる物語性と文章に心を奪われたので早速初期の作品を読んだ。 『猟銃』 これは井上さんの処女作で佐藤春夫さんが絶賛した小説である。これが初めての作品とは思えないほど物語として完成度が高い。語り手が猟銃…