「情に棹させば」

あるところで、あらためて夏目漱石の「草枕」の冒頭の言葉が出てきた。改めて夏目漱石がすごいと実感させられた。 山路を登りながら、こう考えた。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通とおせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住み…