名前と媒介性――『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』評註――

0、三つ葉の結び目 本作はフィクションであるから、イザベラがヴァイオレットと「牢獄[1]」たる女学校(さらにはそこに放り込んだヨークの父)から逃亡し、テイラーに会いに行き二人で暮らす、というシナリオだって作ろうと思えば作れる。しかし、それはできない。その限界ラインが本作の設定したリアリティ、所与なので…