スナメリの恩返しは恩返しにあらず――『きみと、波にのれたら』評註

0. 本作品の批評(Critique)をなすにあたっても、やはり最初に確認しておくべきことは、この作品は自然ドキュメンタリーではなく人間同士の関係を描いているというところである。そして、その中でも監督:湯浅誠あるいは脚本家:吉田玲子が「あるべき」と考える人間関係を描いていると見るべきであろう。港とひな子のよ…