641 「古い神学用語を言い換えてみると」・・・ 「書き遺す 神学へのメモ ―贖罪・文化・歴史・老いる―【増補版】」(渡辺英俊 (著)、大倉一郎(編集)、2021年、ラキネット出版)

副題にあるように、贖罪、文化、歴史、老いを考察する一冊である。 この場合の「文化」は、良質の芸術や文学というよりも、「社会」「社会の支配的な考え方」に近いように思われる。社会の固定的抑圧的な通念に抗う新しい精神の登場が述べられている。 「歴史」においては、戦責告白や「解放の神学からの問い」が論じられ…