『嘘と隣人』誰も(そんなに)悪くないのに、結果最悪

2025年直木賞候補作の一冊、芦沢 央の「嘘と隣人」を読んだ。 先日読んだ「慈雨」を思い出す「引退した元刑事が主人公」の連作小説。 さすがイヤミス短篇の名手といわれるだけある。人間が持ついい面と悪い面でいうと、必ず悪い面で終わるカードゲームのよう。 誰にでもあるちょっとした嘘と保身がいかにもありそう。 主人…