「砂男」(怪奇作家E.T.A.ホフマン著)〜「言葉の恐さ」

E.T.A.ホフマンの怪奇短編小説である「砂男」は、極めて恐いお話です。本編の主人公・ナタナエル少年は、子どものころから「恐ろしい」お話を聞かされて育ちます。「あんまり寝ないでむずかっていると、砂男が眼に砂をこすり付けにくるよ、だから早くお眠りなさい」というような定型文句だったのですが、乳母の女性に「砂…