手のない招き猫(散文詩)〜〜チョマの生の軌跡

1993年、 生き物には非情な態度をとってきた父が「ネコ」を飼うぞ、と言ったときには驚きました。「父のように冷淡な男がネコでもあるまい」、と思っていたのです。 初めてみたそのネコは本当に小さなネコで「なんだ、このちびっこいやつは?」と思いました。 父が工場長をやっていた会社の事務員さんちで産まれた子猫…