かいこ 

ある春の晴れた日 腕を組み 宙を見上げる 今が生きている この部屋に過去が生きている今と過去が想いと重いが待ち合う部屋 よく磨かれた窓ガラスが 春の冷たい風を遮り 温かな日差しだけが 部屋をやわらかく満たしていた ……しずかだ 窓の外では 未だ冷たい風が 生まれたばかりの 花や草木たちを揺らしている 3月 ひとり 10…