小説「姫の高熱と薬草探し」

ちょうどゼノが療養中のあたりのお話です。(約7500文字) ばたばたと廊下が騒がしい。 何かあったのかと思い、ゼノは扉から顔を出す。 「どうした? フィー」 廊下を見れば、ふさふさと尻尾を揺らしながら、桶を運ぶフィーがいた。 「リーアの水」 「姫の?」 視線を落とすと、桶の中に氷が浮かんでいる。 飲み水か? 一…