夏の読書感想文(下)中野等『太閤検地』(中公新書、2019年)の歴史的意義

はじめに 本書が2019年水準での太閤検地論であることは、第一章「天正八年播磨・但馬検地」(19頁)に3月に報道された、未発見の秀吉家臣の名前が記された検地帳の考察から明らかである。 www.kobe-np.co.jp 「おわりに」によれば、2018年に刊行する予定だったとあるが、本年刊行となったことは偶然とはいえ、読者にとって…