雪国

雪国 (岩波文庫 緑81-3) [文庫] 著者:川端康成【評】 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。 小太りしまむらをテコに駒子、葉子二人の女の官能美を描く。冒頭の車中の葉子の描写は白眉といってよいのではなかろうか。 悲しいほど美しい声であった。高い響きのまま夜の…