床山の池の蛇婿

 一宮(いっくう)の屋号は忌部いうてね、そこのお嬢さんが中村へ遊びに行って、床山の池のほとりに行って、にわかに夕立で、小屋に入ったら美青年が本を読んでおった。 そこで、あまり言葉も交わさんこに、夕立も晴れたし、中村へ行ってね、一晩か二晩か泊