かたつむり学舎のぶろぐ
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軍隊学校之記(6) 収容所にて
いまだ盆も明けたばかりというのに、そこにはコスモスが咲いていて、朝な夕なにはその高原に涼やかな風が吹きおりた。ここへきて幾日目になるだろうか。雄々と聳える岩手山が照りかえしてくる健康的な朝日は、収容された人々の目にはまばゆ過ぎた。われわれは外部と完全に隔絶された膜の中にあって、いつ果てるともない薄…