弟子達に与うる記(1) 序

四年、六年と私のもとに通ってくれて、今日がその最後になる日だと言うのに、私は決まって上手い言葉をかけてやれません。 ホントは伝えたいことが、山ほどあるのだけれど。微積の問題を解説しながら、全く別の話をしたくて堪らなくなるのだけれど。いざという時になって、私は愛弟子の君たちへかけてやる言葉につかえてし…