平岡公彦のボードレール翻訳ノート
id:kimihikohiraoka
ボードレール『悪の華』韻文訳の試み1――韻文訳「読者に(1861年版)」
読者に(1861年版) シャルル・ボードレール/平岡公彦訳 愚行と、誤謬と、罪悪と、吝嗇とが、 われらの精神を占領し、肉体までをも変容させる。 かくして乞食が虱の類を養うごとく、 われらは愛すべき悔恨に餌を与えるというわけだ。 われらの罪悪は頑固だが、悔悛はたるんだものだ。 罪を告白すればたっぷり代償を払った…