平岡公彦のボードレール翻訳ノート
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ボードレール『悪の華』韻文訳の試み2――韻文訳「祝福(1861年版)」
祝福(1861年版) シャルル・ボードレール/平岡公彦訳 至高なる者の力能の命により遣わされる、 詩人がこの退屈な世界に姿を現すに際し、 彼の母親は恐れ慄き、心を冒瀆に満たし、 憐れみ給う神に向け、拳をわななかせる。 ――「ああ! こんなお笑い種を養うくらいなら、 いっそ絡みあった蝮でも産めなかったものかしら! …