ボードレール『悪の華』韻文訳――012「前世(1861年版)」

前世(1861年版) シャルル・ボードレール/平岡公彦訳 私は長いあいだ、海辺の太陽が千の火で 染め上げた広大な柱廊の下に住んでいた。 その大きな柱は、まっすぐ厳かに並んで、 夕暮れは、玄武岩の洞窟と同様に見えた。 大空の姿を映して巻きこむ波のうねりは、 その豊かな音楽に備わった全能の和音と、 私の眼にも照り…