ピケティの新社会主義論(1): 海神日和

 トマ・ピケティの『資本とイデオロギー』は大著で、全部読み切るには半年以上かかるだろう。それに、ぼくの頭ではたぶんとても理解しきれない。  ピケティの今回の本が大著になったのには理由がある。古代から現代までの格差の歴史をふり返ろうとしたからである。とりわけ20世紀の大転換を扱った部分はぱっと見しただ…