とうに涅槃を過ぎて――鶴見俊輔をめぐる“気分”の共同性について

● ものを書きそれをカネに替えるという営みに手を染め始めた頃のことだ。今すぐにとは言わないしその準備もない、だが、いつかきっと鶴見俊輔の仕事についてその功罪を含めて正面から論じてみたい、と言ったら、ある年上の編集者から「悪いこと言わないからやめなさい」と真剣にたしなめられたことがある。 彼がそう言った…