中沢新一への手紙

前略、中沢新一様。 ごぶさたしています。その後いかがお過ごしでしょうか。 ある編集者を介して会いたいと言われて、湯島の何やら由緒ありげなすきやき屋でお会いして以来ですから、もう三年くらいたちますか。 あの時僕は、連れてゆかれたその店の、大層なお座敷の居心地悪さに押し黙ったまま、もはや味も何もわからなく…